先日、電車に乗っていた時のことです。

平日の昼間だったのもあり、電車内はまばらに人がいるだけといった雰囲気で、窓からは心地よい陽光が差し込み、騒がしさは一切なく、私は仕事での移動中であったにも関わらず、ついつい居眠りをしてしまいそうなぐらいの落ち着いた空間でした。

しかし、ある駅に停車した際、数人の乗客に紛れ、物凄く音漏れのするイヤホンで音楽を聴きながら電車に乗ってくる若者がいました。普段の通勤時や退勤時の騒がしい電車内ではなく、とても静かな空間だったため、そのイヤホンからの音漏れはかなり目立っており、いつもなら気にしない私も、ちょっと鬱陶しいなあと感じていました。

すると、同じ車両にいた60代くらいの男性が、その若者に声をかけに行きました。盗み聞きをするつもりは無かったのですが、電車内が静かだったのもあり、男性が話をしている内容は、聞き耳を立てずとも自然と耳に入ってきました。

やはりといった感じではありますが、男性はその若者のイヤホンから漏れる音がうるさいといった内容を伝えていました。しばらく様子を見ていると、若者はイヤホンを外し、「すいませんでした。」と一言謝って、音量を調整するようなそぶりを見せていました。

素直に聞いてくれる若者で良かったなあと思って、私はまたウトウトとし始めたのですが、男性は立ち去ることなく、「これだからゆとりは!」「親の顔が見てみたい!」「いい歳して周りの迷惑を考えないのか!」と、若者に説教を始めました。

まあ、多少ならばと思っていたのですが、男性は若者が電車を降りるまでその調子で、しかも、いつしか説教はその若者の人格を否定するような罵倒へと変わっていきました。

そして何よりも、その男性の罵倒は音漏れよりもうるさいのです。

先程までは静かだった空間が、一変してどんよりとした嫌な空間になってしまいました。音漏れが酷かったのは若者に非がありますし、それを注意した男性は正しかったと言えます。

しかし、その男性の振る舞いは見ていて物凄く不愉快でしたし、逆に、素直に謝り、理不尽な罵倒すらも黙って聞いていた若者は本当に大人だなと感じました。

自分が悪いことをしていると気づいていない人よりも、自分が正しければ何をしても良いと思っている人の方がやっかいだなと感じる出来事でした。

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